2020.5.28

好きな人の好きな音楽を好きになってしまう現象は、思い返せば小学生の頃から今までずっと続いている。もう好きではなくなった人の好きだった音楽も、今でも時々聴いたりするし、その度に安心を覚える。

 

私は中学生の時、RADWIMPSが大好きだった。(これは別に好きなひとの影響ではなくて、ユーチューブを観てたらサジェストされた「おしゃかしゃま」に見事にハマったからである。)世代である。

で、RADの定番曲の一つ「me me she」という曲の中に、

「僕が例えば他の人と結ばれたとして

二人の間に命が宿ったとして

その中にもきっと

君の遺伝子もそっと 紛れ込んでいるだろう」

という歌詞がある。当時のユーチューブのコメント欄などではアンチから「キモイ」みたいなことを言われてたと思う。まだクソガキだった私は単純にこの歌詞の言ってることが実感として分からず、よーじろー的な未練ってそんなもんなのかなー、くらいにしか思ってなかった。

今でも実際、未来の自分のこどもにまで昔の恋人の未練やらそれにくっつくあらゆる要素をうっかりでも伝えたくないとは思うんだけど、でも、昔好きだった人の好きだった音楽が私の血の中に少し残っていて、それが全身を巡っていると感じてしまう時がある。

それはもはや、昔の彼に対する想いとか未練では全くなく、どちらかというと、ときめいていた当時の今よりも幼い自分の中のキラキラしたつぶが残ってるということ。

〇〇君の好きだった、あのアーティストのあの曲を、仕事終わりの深夜の車の中で再生する。何年も聴いてなかったのに、口ずさめる。その時だけ私は、セーラー服を着ているんだと思う。

私の好きだったものも、誰かの中に残ってるのかな。多分残ってないと思う。それがいいのでそう思うことにしています。